お金はいらないんだ。
ー 嫁の私 ー
認知症在宅介護中 嫁の私観察記録。
アルツハイマー型認知症義父おとん要介護３です。
介護って、心に余裕がないとうまくいかない。
ついつい余計なことを、口に出してしまう。
おとんを、悲しませるつもりは
ないのだけれど・・ごめんなさい。
自分で言ってしまい、自分の失敗で落ち込む。
そんな時、見ず知らずの人からの
さりげない言葉で心が救われるのです。
幸せをもらったことを書いています。
（撮影：荷物を持ってくれるおとん）
「さりげない言葉」
おとんは、物をよくなくす。
それも大事な物ばかりだ。
例えばお財布。
家の中で、財布をどこに置いたかわすれて
嫁の私のせいにするのだ。
先日は、コンビニの傘だてに杖をわすれてきた。
自分が、歩くために必要な杖を
わすれるのだ。
（記憶障害のため）
杖が、無事にもどったから
よかったものの・・。（名前と住所を付けていた）
おとんが、コンビニ行くというので今度は一緒について行った。
おとんは、なぜかコンビニに入るとき
傘だてに杖を入れる。
嫁の私「おとんそんなとこに、杖を入れたら歩けないよ」
おとん「ええねん。入れとくの」
一度言い出したら、おとんは絶対自分の意思を
まげないのだ。
仕方がないので、おとんの手をもってコンビニに入った。
その時お年寄りのご婦人が、傘だてに杖を
入れているのを見た。
おとんと同じことを、する人がいるんだと驚いた。
買い物を、済ませておとんとコンビニの前で
アイスを食べていた。
先ほどの、ご婦人が通り過ぎて行った。
あれっ？よく見ると杖を持っていない。
私は、傘だてからご婦人の杖をだし
声をかけた。
嫁の私「奥さんこれ（杖）忘れてませんか？」
ご婦人「あっ！すみません」
ご婦人に杖をわたした。
嫁の私「うちの父も忘れるんです」
ご婦人「ありがとうございます。私もわすれぽくって
こまるんですよ（笑）」
嫁の私「うちの父も傘だてに杖いれるんです。
やめてもらいたいんですけど（笑）」
ご婦人「親から外で使った物を、家に入れたらダメって
育ったものですから・・ついね（笑）」
嫁の私「そうなんですか？父もそうなのかな？」
ご婦人「昔の親は、きびしく育てましたよ。この歳になってようやく
ありがたいなって思います。」
嫁の私「うちの父も恐いです（笑）」
ご婦人「笑顔のすてきなお嬢さんをもってお父様も
喜んでおられるでしょう」
嫁の私「（嫁ですが・・）ありがとうございます」
ご婦人「こちらこそ、ありがとうございました。
失礼いたします」
ご婦人は、一礼され歩いていかれた。
私は、ご婦人のさりげない言葉で
心があたたかくなった。
つかれていた心に、幸せをあたえてくれたのだ。
コロナ渦で、他人とのつながりが危ういけど
私は人とのかかわりを大切にしていきたい。
私もさりげない言葉で、人を
幸せにできる人間になりたいです。
おしまい。
人生の先輩から学ぶ、さりげない言葉。
(^_^)ノせばね～
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最終更新日 : 2020-06-15