それでええやん
ー おとん ー
認知症在宅介護中 嫁の私観察記録。
アルツハイマー型認知症義父おとん要介護3。
認知症になったからといって、
何もかもわからなくなったわけではない。
おとんは、本に書いていないことを知っている。
「父から学ぶ」ことを書いております。
(1分で読めます)
「おとんの散歩は人生だ。」
おとんは、毎日散歩(徘徊)をしている。
私は、おとんについて行くことがある。
歩くことは、脳の働きをよくするのだ。
そして気分も良くなる。
一緒に歩いていると、おとんは嫁の私に何でも教えてくれる。
おとん「この実、おいしんやで」
(ひとつぶ木の実を口に入れる)
嫁の私「えーーー大丈夫なの??」
おとん「大丈夫や、この実をたくさん取ってジャムにするんやで。」
嫁の私「えっ?そうなの。その実の名前はなんて言うの?」
おとん「知らん。わし子供の頃から食べてるもん」
嫁の私は、いつものつくり話だと思っていた。

(桑の実)
ネットで、調べると「桑の実」という果実だった。
鉄分、食物繊維、カリウムが豊富で高血圧予防にいいと書いてあった。
おとんは、雑学王だ。
そしておとんは、挨拶王でもある。
出会う人に、あいさつをするのだ。
しかし、あいさつをした人に
あいさつされないことが多い。
不思議なので聞いてみた。
嫁の私「おとん、今の人知ってるの?」
おとん「知らないよ」
嫁の私「なんで知らない人に挨拶するの?」
おとん「誰にでもあいさつできる人になれって
オヤジに言われて育ったんや」
嫁の私「へえ~そうなの。昔の人の考えなの?」
おとん「うちの親は、きびしかった。ありがとうという感謝の気持ち、
歳をとったら欲を出すな。よう言われたわ。」
嫁の私「欲を出すなって?」
おとん「一歩ひけってことや。いつまでもわしが仕事を続けていたら、
若いもんが育たないやろ。 仕事というもんはなぁ、
自分ひとりで、責任をもった時にはじめてよくわかるんや。」
嫁の私「おとん、かっこいいね。ありがとう」
こうやっておとんは、私に教えてくれるのだ。
認知症になって失うものもあるけど、
おとんは男として親として消えないものがある。
私は、社会人になりいい大人になった。
けれど子供として、まだおとんから学ぶことがある。
このありがたい状況に、嫁の私は感謝しているのだ。
認知症の人と、ちゃんと向き合うことも必要だと言うことだ。
おしまい。
人生で出会うすべての人ものへ「ありがとう」
(^_^)ノせばね~(函館弁でまたね~の意味です)
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最終更新日 : 2020-12-06